スタッフのハルです。
7/24に行った「生きる安心を支える地域のつながりpart2」のご報告です。
2015年1月に
さんきゅうハウスの吉村一正(イッセー)さんをゲストに行った「生きる安心を支える地域のつながり」と同じタイトルでの今回。
ゲストは若者就労支援ネットワーク静岡を立ち上げた静岡県立大学教授の津富宏さんです。
スタッフ含め、30名以上の方が集まりました。
対話ラボのイベントはあまり偏りなく、幅広い世代があつまるのが面白いです。
今回集まった方もこのテーマだからこそという方々がたくさん。
福祉関連施設のスタッフの方、就労支援のボランティア経験者、居場所をつくっている方やその参加者、議員の方、社協の方、公民館の方、普段はあまりこういった活動に参加しない方も、本当に多様な方が集まりました。
そんないろんな世代、いろんな立場の方が集まること自体がすごい、という話を参加された方からも言われました。
全体としては4時間で以下の流れでした。
@ゲストトーク
津富宏さん
Aワールドカフェ形式の対話(2ラウンド)
B参加者が出すテーマによってグループに分かれての対話(マグネットテーブル)
※今、一番話したいテーマを元にあつまる
C全体まとめ
ゲストの津富さんはまちに暮らすごく普通の人がつくるつながりを育み、それを基盤として、若者就労など、様々な社会課題に取り組んでいる方です。
対話ラボスタッフのゆきちゃん、ようこちゃんからインタビューです。

若者就労支援ネットワーク静岡を立ち上げた理由や、その経緯、その活動の中で学んだこと、困っている人に関わる際に大切にしていること。
また、静岡県内、全国にその活動が広がった経緯についても。
まちにいる普通の人がボランティアで関わることがどんな意味があるのかもフォーカスして伺いました。
関わりたいと思った人が困ってる人につながりにくい現状があると思っているためです。
その話をスタッフのかもしぃがグラフィックレコードをしたものがこちら。

ゲストトークの後は簡単な感想共有後、短めのワールドカフェ形式の対話です。
問い(テーマ)は2ラウンドともこちらのテーマ。
「安心して暮らし、ともに生きていくためにまちにどんなこと、どんなつながりがあるといいと思いますか?」

おせっかい、当事者意識、ハードル低く、引きこもりサークル、家から出てこられない人、(相談受付の)まちの中心(ハブ)が必要、偏見がない街、知っている顔があるということ、つながり⇔個人情報、長屋のような関係、監視と介入の違い、センスも大事、未来食堂、障害者支援・・・
様々なキーワードが出ました。
そのあとは、参加者が出すテーマによってグループに分かれての対話(マグネットテーブル)です。

休憩中に考えた、一番話したいテーマを見せ合って、グループに分かれます。
書かれたテーマは真剣さや、切実さが伝わってくるものが多かった気がします。
そして、集まったグループごとに、そのテーブルの新しい問いを作り、対話をスタート。
問いをつくるのは難しかったという声も聞きましたが、多くのテーブルでテーマが書かれ対話が始められていました。
・顔見知りからご近所になるには?
・ボランティア性をどのように保つか?
・つながり×居場所
・困ったこと、お互いさまの関係→どうやったら、そういう場をつくれるのか?
・困っている若者とのつながり方
・自分や他者と深くつながる場とは?


こんな問いが出てきていました。
ワールドカフェより細部にフォーカスされた話がされていました。テーマごとに分かれられたから話したいことを話せたという方も多かったようです。
最後はテーブルごとの報告をするのではなく、話したいことがある人が手を挙げて話す形で全体共有。
真剣な対話があった証拠だと感じるのですが、少しの沈黙を置けば、次の人が手をあげ、話して感じた事を話す方、やってみたいことを見つけそれを話す方、20分ほどの時間、皆さんから様々な声を聴くことができました。

最後はゲストの津富さんにコメントを頂き、終了です。

この対話に参加した方から変化につながっていくといいなと思います。
ご参加いただいた方本当にありがとうございました。

■マグネットテーブルについて
今回、
NPO法人 場とつながりラボhome's viのマニュアルと、それを書いた嘉村 賢州さんのアドバイスをもとに運営してみました。
(賢州さんありがとうござました!)
グループ分けでは、無理やり感が出るのが懸念だったのですがこんなアドバイスをいただきました。
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人数にもよりますが、初めに「このやり方は難しいので、最後までしっかり聞いて、グループが出来上がるまで集中して協力しあってやりましょう」といってからはじめる。「グループが出来てきたら、座ってください。そうすることでまだグループが出来ていない人が仲間を見つけやすくなります。最後のこったら化学反応を信じてどこかにジョインしてくださいね。」といえばわりとうまくいきますよ。
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こんな模造紙を書いて説明しました。



OSTという手法と同様、参加者が自分で、考えて場を作ろうという意識をいかにつくるかがポイントとなってくる印象でした。
また、テーブルごとに新しい問いを決めるのがなかなか難しいのですが、問いを決める時間自体の対話も意味があるし、楽しんでもらえるよう案内できるといいなとも思いました。
今回は問いを決める時間と、対話の時間を区切って、決まってなければそのまま話すようにご案内してみました。
OSTという手法もテーマ別の話し合いができるのですが、テーマを出す人の負担が大きかったり、雰囲気作りが難しい部分もあり、半日程度の場ではなかなか実施しにくいのですが、マグネットテーブルであればできるという実感も得られました。
今後、また広がりやすくなっていくよう、勉強会をやったりしていきたいなと思います。
■今回の詳細タイムスケジュール
13:30 導入説明・アイスブレイク・4人組で自己紹介
14:00 ゲストトーク津富宏さん
14:35 4人組で感想共有
14:45 休憩
14:55 ワールドカフェ 2ラウンド
15:45 一番話したいことを考えながら休憩
15:55 マグネットテーブル 説明、テーマ共有、グループ分け
16:15 マグネットテーブル 背景共有とグループの問い決め
16:25 マグネットテーブルの対話
16:55 1日の振り返り、全体共有
17:30 終了